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かなざわ探訪

フレンチ

2021.10.25

誰でも気軽に入れて、肩ひじ張らないフランス料理が楽しめる場所ービストロ「しおとめぐみ」

しおとめぐみ Sel et Vendange

金沢区六浦

金沢八景駅から徒歩6分ほどの場所にある、小さなビストロ「しおとめぐみ Sel et Vendange」。家庭的だけれども本格的なフランス料理が食べられるとあって、連日地元のお客様でにぎわう、人気のお店です。

「肩ひじを張らず、誰でも楽しめるビストロを目指している」と話してくださったのは、店主でありシェフの滝澤延行さん。2019年の8月にオープンし、今年で2周年を迎えたという滝澤さんに、お店の自慢の料理、地域でお店を運営していく上で大切にしていることなどをうかがいました。

食材がたっぷりつかわれたキッシュは、しおとめぐみの人気メニューの一つ。https://www.instagram.com/p/CQHwU-DlKBh/

 

まず初めに気になったのが、店名の「しおとめぐみ」。

一見、フランス料理を出しているお店には見えない、ひらがなの名前 。でもちゃんと、滝澤さんの想いが込められていました。

「金沢区は都内に比べてフランス料理店が少なく、食べ慣れていない人も多いはず。だから、みんなが覚えやすい名前にしたかったんです。

それから料理は何よりも 塩加減 が大事だと、僕は思っています。なのでそういった技術“”やテクニックを表しているのが『しお』。そして『めぐみ』は 食材の恵み のこと。うち“”はどちらも提供するよ、ということが伝えたかったんです」

お店で提供している料理は、主に家庭的なフランス料理。豚肉料理がメインで、静岡の養豚家さんから仕入れた豚肉を、ハムやソーセージ、ベーコン、ローストポークなどに加工します。

野菜の多くは、三浦半島や横須賀市の畑で朝採れたばかりのものを、その日のうちに提供。ここにもできるだけ地の食材を使って料理を提供したい、という滝澤さんのこだわりが詰まっています。

さらにワインも充実。常時100種類以上を用意していて、自然派やオーガニックのワインが3分の1を占めているのだそう。「味の好みを教えてくだされば、提案することもできますよ」と、滝澤さん。

(キャプション)レジ周辺にはいつも、季節の花を飾ってお客様をお迎えします。https://www.instagram.com/p/CQPdEQKFIMA/

滝澤さんは横浜市金沢区の生まれ。結婚してお子さんを授かったことをきっかけに、地元近くで独立することを決めたといいます。

しおとめぐみを立ち上げる前には、ホテルやレストラン、総領事館などさまざまな場所を転々としながら腕を磨いたのだそう。本場フランスへ行って、ミシュランの星がつくようなレストランで修行した経験もお持ちなのだとか。

「フランスにいたころに、よく食べ歩きをして勉強をしたんですよ。星がつく店も、庶民的な店も。ただ高級なレストランというのは、食材のいいところだけを使って、あとはまかないに回したりするんですよね。

そういう姿を見て、自分がお店をやるなら、食材はできるだけ全部残さず使い切りたいと思い、ビストロにすることを決めました」

ランチは1,000円からとあって、近隣の大学に通う学生から、近所の住宅街に住む奥様たち、家族連れなど、さまざまな人が通う人気店です。リピーターの方も多く、毎週のように来てくださる方も多いのだそう。

しかも0歳から入店OK。チャイルドシートやおむつ替えの台もあるそうで、安心して来てほしい、と話してくれました。滝澤さん自身が、お子さんと一緒に外食をするときに苦労した想いが活かされています。

さらにしおとめぐみのこだわりは、デザートにも。ここでもなるべく季節の果物を使うように心がけているといいます。夏は桃の冷製スープ、秋はタルトタタン、春はイチゴを使うなど 。想像しただけで口の中も心も、ホッと温かくなったような気がしますね。

(キャプション)サクサクの焼きメレンゲにアイスクリームを挟んだデザート「苺のヴァシュラン」。https://www.instagram.com/p/CMDlUjzlvCS/

過去には横浜市立大学の学生サークル「三浦半島研究会」主催の、「ちいさな駅前半島マルシェ」というイベントにも参加したことがある滝澤さん。周辺のお店とのつながりを大切にしており「イベントがあればなるべく出たいし、いつかはしおとめぐみ主催でイベントを開催してみたい」と意気込みます。

「周りで切磋琢磨しておいしい飲食店が増えれば、生活にもハリが出るし、毎日の楽しみの一つにもなると思うんです。僕もお客様から教えていただいたお店に足を運んだり、逆に教えたりして。みんなで情報交換をしながら、このあたり一帯を盛り上げていけたらいいな、と思います」

(キャプション)写真中央が、店主の滝澤さん。https://www.instagram.com/p/CDU6NmAJNS5/

お店を始めて2年が経ったいま。今後チャレンジしたいことについてうかがってみました。

「魚料理を安定して出していけるようにしたいです。まだまだ漁港さんとの繋がりが少なく、メニューが充実できていなくて。

このあたりは海に囲まれているので金沢漁港だけでなく、アナゴが有名な柴漁港、逗子の小坪漁港、横須賀の佐島漁港など 。本当に多くの漁港があるんですよ。そういった漁港と……の連携をしっかり図っていきたいです。

フランス料理にはブイヤベースやカルパッチョ、夏にはアナゴのフリッターなど、美味しい魚料理がたくさんあるんでね」

どこまでいっても、お客様のこと、目の前の料理のこと、スタッフのこと、家族のことを考えている滝澤さん。「一皿一皿、誠実につくり続けること」と話す言葉に、滝澤さんの心の温かさを感じました。

0歳児から学生、カップル、お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんまで。みんなが集って笑顔で食事ができる、しおとめぐみ。あなたもひとたびお店に入れば、お店のこと、地域のことがきっと好きになってしまうはずです。

 

しおとめぐみ Sel et Vendange

金沢八景駅から徒歩6分ほどの場所にある、小さなビストロ「しおとめぐみ Sel et Vendange」。家庭的だけれども本格的なフランス料理が食べられるとあって、連日地元のお客様でにぎわう、人気のお店。

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